
「みんなに教えたい。でも、やっぱり教えたくない」。
お気に入りすぎて、自分だけでコソッと通いたいお店って、誰にでもありますよね。
(でも、実はみんなもう知っていたりするんです。)
今回紹介する仙台駅東口の「タピオラ」さんは、そんなお店です。
目次
スパゲッティとピラフ、そして3,000冊の漫画本が名物。予備校生たちの心の拠り所だった「タピオラ」
仙台駅東口から徒歩3分。小さな雑居ビルの2階。
あの頃の予備校生や塾通いの高校生が足しげく通い、それから大人になった彼らに愛され、2023年5月で40年。一時期、仙台から離れて暮らしていた私も「帰省したら絶対に食べたいもの」と言えば、ここの味でした。
そんな「タピオラ」さんがあるのは、仙台駅東口。東口のタクシー乗り場の方からViViの前を通って、交番の前を通って、左折して2件目の雑居ビル。お向かいには「四谷学院」のビルがあります。
ちなみに、この看板も創業以来変わっていないです。2階まで階段を上るとお店の扉があり、ここに来ると毎回、心の中で「ただいま」と言いたくなるものです。
縦長の店内は、照明もインテリアもあめ色。テーブル席とカウンター席があり、壁にはマンガで覆われた本棚がずらりと並んでいます。
少年漫画、少女漫画、青年漫画、そのジャンルもさまざま。ときどきこっそり新作に入れ替わっていたりするのもツボです。
お昼時はいつも混雑しているので、マンガをゆっくり読みたい人はランチタイムを少しずらして訪ねるのもありです。
「タピオラ」といえばスパゲッティとピラフ。中でもおすすめは、カレスパ。
メニューはこちら。人気はスパゲッティとピラフで、ナポリタン、ミートソース、エビとアサリときのこのホワイトソースのタピオラ風、カレーがあります。
プラス200円でドリンクと、サラダorヨーグルトを選べるシステム。サンドウィッチやトースト、ケーキも人気です。
どれも1,000円でおつりがくるリーズナブルさもうれしいポイント。私は大好物の「カレスパ Bセット 980円」をオーダーしました。
お先にサーブされるサラダは、シャキシャキのキャベツにシロップ漬けのミカンの甘さとピーマンのほろ苦さがポイント。フレンチドレッシングも懐かしい味わいです。
そして真打ち登場、名物カレスパ。運ばれてきた瞬間、香ばしい匂いが食欲をそそります。カレーはサさらさらとしていてフルーティ。食べ進めるほどにじんわりとスパイスが広がる味わいは、40年愛され続ける深さと奥行きがあります。
本当にこれは、ここにしかない味。食べた瞬間に「ああ、この味だ。」と記憶が呼び起こされる強いインパクトがあります。
スパゲッティもカレー味で炒めてあるのですが、ルウをたっぷりと絡めていただくのが流儀。
そして、このゴロゴロっと大きな具がまた、往年のファンには堪らないのです。良く味の染み込んだにんじんとじゃがいも、豚バラ肉も柔らかく、フォークを入れるとホロリとほどけます。
セットのコーヒーは食後に登場。マスターの奥さんが丁寧にドリップしてくれた1杯と共に、店内のマンガを読むのがおすすめです。
選べるドリンクは、コーヒーをチョイス。このコーヒーカップですら、ずっと昔から変わらず、ほんとに懐かしいのです。
「タピオラ」風は、エビとアサリときのこのホワイトソース
そしてこちらは、「タピオラ風ピラフ 780円」。海の幸のアサリとエビ、山の幸のマッシュルームとぶなしめじがたっぷりと入ったホワイトソースは、店名の由来である“森の神様”をイメージしたもの。
クリーミーで濃厚で、ほんのり塩味の効いたバター風味のピラフともベストマッチ。
心がほっこりするような優しい味わいで、1度食べたらやみつきになるこのメニューにも、多くのファンがいます。
ずっと変わらない。仙台の漫画喫茶の先駆け。
壁いっぱいのマンガ本、いまだに喫煙OKの空間、カウンターの中でせっせと料理をする寡黙なマスター、フロアへとせわしなく気を配るママ、オリジナル度が高くてずっと変わらぬメニュー。
時代は移り変わるけれど、ここだけはずっとあの頃のまま。発展し続ける仙台駅東口にあって、変わることのない小さな物語を紡ぎ続ける喫茶店です。
東口には今も予備校や専門学校がたくさんあるので、若い世代のお客さんにも多く訪れている「タピオラ」さん。
昔ながらの漫画喫茶としてこれからも末永く、この世界観が多くの人に愛されることを祈っています。
INFORMATION
店名:
タピオラ
住所:
仙台市宮城野区榴岡2丁目1-8-2F
電話番号:
022-293-1801
営業時間:
9:00~18:00
定休日:
日曜
一人当たりの予算:
〜¥1,000
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